「知世の白昼夢」
(Original Title:Daydreaming)


出典:Pathfinder - Makafushigi
(http://www.geocities.com/hentaikeops/makafushigi)

作者:Ricardo Chirino
訳者:alpha7

私、毎日、新しい幸福を手に入れて様なものですわ。
私、さくらちゃんの傍に居ると、自分がおかしな方向に行ってしま
う、なんて事、有りませんでしたもの。
彼女は私が生きて行く理由なんですの。
何時でも、私に愛らしく笑いかけてくれて、私の人生は喜びで満ち
溢れ、幸せ絶頂ですのよ。
私、天使の傍に居る様なものですもの。
私達2人が一緒に居る時、私は生きてる、って感じますの。
言葉では言い表すことは出来ませんけれど、私達2人は一緒になる
のは必然の事でしたのよ。
親愛なる、さくらちゃん。
毎日、友枝に行く時、さくらちゃんを見つけると、彼女はいつも笑
って、活発なんですもの。
ああ、神様!
私、さくらちゃん抜きの人生なんて、考えられませんわ。
それは運命だと思いますわ。
園美お母様が、かって撫子さんに夢中になったのと同様に。
明らかに私達2人、赤い糸で結ばれているんですわ。
今日も、優しくて、大好きな、さくらちゃんと長い長い時間を過ご
すんですわ。
それが、私の本当に望んでいる事。
私達2人が本当に望んでいる事....

「知世....知世ちゃん?」
声がしました。
その声が私を現実に呼び戻しましたの。
彼女の愛らしい声が、私を心の空虚から呼び戻しました。
さくらちゃんが呼んでいましたのよ。

「ハイ?」
私、最愛の人に対して、出来るだけ優しく答えましたの。
「夢、見てたんだよ....ね?」
さくらちゃんが私に尋ねました。
さくらちゃん、呆然としてましたけど、とっても美しくて、魅力的
でしたわ。
彼女は、私の身も心も捕らえてしまっていたんですの。
「授業、終わったよ。分かってると思うけど....。」
「え、ええ....私、さくらちゃんの事を考えていましたの。」
そう言うと私、赤くなってしまいましたわ。
「知世ちゃん!」

すると、さくらちゃんが私に寄りかかって来ましたの。
さくらちゃんが、こんなに近くに居る!
私、さくらちゃんの暖かい息、香り、柔らかい肌の感触を感じまし
たの。
そして、さくらちゃんの天使の様な目が私をジッと見つめていまし
たのよ。
私、天国に居る様でしたわ。
さくらちゃん、私の背中から、ゆっくりと抱きついてきました。
「知世ちゃん、とっても可愛いよ。」
私、さくらちゃんの柔らかくって、赤ちゃんの様な匂いを感じまし
たのよ。

さくらちゃんの短くてブラウンの髪の毛はサラサラしてました。
私、さくらちゃんを守りたい!
私、永遠にこのままでいたいですわ。さくらちゃん!
「さくらちゃん、私、一生懸命、貴方を愛しますわ。」
「私も愛してる、知世ちゃん。お願い、抱きしめて。」
私達2人、長い間、抱き合っていました。

すると、千春ちゃんが花瓶を取りに教室の中に入って来ましたの。
そして、私達の事を見てしまいました。
でも、千春ちゃん、私達の事、もう分かっていたみたいですわ。
千春ちゃん、愛らしい眼差しで笑っていました。
「じゃあ、又、明日。さくらちゃん、知世ちゃん。」
「じゃあね、千春ちゃん!」

私達2人は同時に答えました。
教室は私達2人だけになりました。
でも、そんな事はどうでも良い事でしたわ。
何時でも、私の傍にさくらちゃんが居る、それだけで天国に居るの
と同じでしたもの。
それに、さくらちゃんも同じ様に考えてる、って、私、確信してい
ましたもの。
「知世ちゃん....。」
さくらちゃん、真っ直ぐ、私を見つめていました。
2つのグリーンの目が私を見つめていましたの。
神様....さくらちゃん、とっても美しいですわ。
私、身も心も欲望に従い、さくらちゃんに寄りかかりましたの。

私の唇が....さくらちゃんの唇に数ミリ迄、近づきました。
今度は空気を通じて、香りを感じました。
その香りは、愛しい、さくらちゃんの熱い吐息でしたの。
「お願い、キスして....私、知世ちゃんに愛してほしいの....」
さくらちゃん、そう言いました。

私、その言葉に何も抵抗出来ませんでした。
私の心臓は力強く脈打っていました。
私、幸せ絶頂で、尚且つ興奮していましたもの。
私、さくらちゃんにキスする為に最後の一歩を踏み出しました。
それから、私達2人、長い長い間キスしていました。
これまでに無く、強く抱き合いながら....
私、この時をどう言葉で表現していいか、分かりません。
この事は、今までのどんな幸せや愛も凌いでいましたもの。

2〜3分後、私達、外に出ました。
そして、木に寄りかかりました。
日没がとっても綺麗でしたわ。
本当なのかどうか、私も知りませんが、特別な人と一緒に居ると、
何でも豪華に見える、と思いますわ。
さくらちゃん、私の横に座りました。
私の肩にさくらちゃんの手がふれて、優しくキスしましたの。
私の体に電気がビビッと流れましたわ。

「知世ちゃん....。」
「ハイ....?」
「私の為に歌ってくれる?」
「勿論ですわ。」

さくらちゃんの為に歌えて、私、満足でしたわ。
私、本当にさくらちゃんの為に歌う事が楽しいんですもの。
神様、私、本当にさくらちゃんを愛しているんですわ!
さくらちゃんが幸せになるよう、ベストを尽くして行きますわ。
だって、さくらちゃんの幸せが、私の幸せとなるんですもの。

私、長時間に渡って歌い続けましたの。
間もなく、さくらちゃん、私の歌で眠ってしまいました。
さくらちゃんが目を覚ましてから、私達2人、私の家に行きましたの。
そして、その夜は、2人で一緒に過ごしましたの。

明日、私はさくらちゃんの為に....
明日、さくらちゃんは私の為に....
これからは、ずっと一緒ですわ。

「さくらちゃん、愛していますわ....」

(終わり)


Created by alpha7 at November 11st,2001