第三新東京市

少しでも、かろうじて睡眠を取れば、やがて、太陽がのぼり、
僕は最初に目を覚ます。
悪夢で強制的に叩き起こされる。
そして、過去の記憶では、目覚める事は決して無い。

僕は、朝食を作る。さもないと、アスカに引っ叩かれる。
そして、僕は、夜の間の悪夢を投げ捨てて、うたたねしてしまう事
もある。

ミサトさんがビールを飲み、僕に誉め言葉を浴びせる。
でも、ミサトさんは僕達より早く起きる事は無い。

おはよう、第三新東京市。気分はどうだい?
君は僕を知らないね。僕が君の子供と言う事を....
僕は、サードチルドレンと呼ばれるエヴァのパイロット。
僕は、君の為に多くの時間を割いてきてんだよ。

そして、僕達は走る。学校の教室へ。
上手く行けば、時間通りに教室に滑り込む。
みんなが友達と語り合っている。
でも、僕は自分の友を半身不随にし、殺してしまった。

僕の人生は、平坦に見えるよね。
僕の様な人間は嫌いになるね。
でも、とにかく僕は戦い続けているんだよ。
運や名声、僕が期待すべき父さんへの尊敬....
僕は、何時か、それらを手に入れたいと思っているんだ。

おはよう、第三新東京市。気分はどうだい?
君は僕を知らないね。僕が君の子供と言う事を....
僕は、サードチルドレンと呼ばれるエヴァのパイロット。
僕は、君の為に多くの時間を割いてきてんだよ。

学校が終われば、テストの為の鳥篭に時間を費やす。
地下のエントリープラグでシンクロ率が1ポイント下がる事もある....
ネルフのスタッフは、僕が高いシンクロ率を持ってる、と言ってる。
でも、アスカは値を維持したままだ。

最後に、眠りに落ちる時、僕は神に、僕の魂を守って、と祈る。
でも、彼は、僕を守ってはくれない。
僕は、見守ってくれてる父さんが好きかも知れない。でも、父さんは
僕を世話してくれない。
僕の死は、多分、父さんに意図されたモノになる。

お休み、第三新東京市。気分はどうだい?
僕は、君が僕を知らないって言ったね。でも、僕は君の子供なんだよ。
僕がエヴァで君を守ったんだよ。
僕の人生が終わる時、僕は、18の地獄をくぐり抜けて生きたんだね。

<第三新東京市、終わり>