あかりの秘密

[大学衛星、「大運動会」終了後]

あかりと友人達---そして、ライバル達も---は、夕食の為、食堂に集まっていた。
だた、ラーリだけが、自分の前にコンピューターから打ち出された自分のデータを
見つめていたのだった。

ラーリ:
(あかりの前に駆け寄り)
「どうしてだ?!どうして、お前は私に勝てたんだ?!
私には、その理由が分からない。私は自分のデータを何度もチェックしたが、
それらには、全て「私が勝つ」と出ているんだ。」
(ラーリ、あかりを揺する。)
「神崎!お前は、私に秘密を明かせねばならない!!!」

あかり:
(笑いを浮かべ、頷く。)
「良いですよ。その秘密を教えましょう。」
(周りを見渡し。)
「皆にも秘密を教えるわ。明日の朝、8時にシャトルポートで会いましょう。
良いですね?」
(あかりは夕食を済ませ、食堂を出て行った。)

皆は沈黙したままであったが、ミランダがその沈黙を破った。

ミランダ:
(スッと立ち上がって、笑いを浮かべた。)
「遂に、って感じね。勝利の為に、あの子の秘密を得られる、って事ね。
そうすれば、私、ラーリ・"ひよっこ"・フェルドナンドを打ち負かせるって事になる
わね。」

ラーリ:
「そうなればいいがな。だが、神崎の秘密が分かったら、私は、宇宙"醜い"撫子の汚名
を返上出来るんだがな。」

ミランダとラーリは、自分達の周りに強烈な赤いオーラを発しながら、お互いにクスクス
と笑ったのだった。

ジェシー:
*あかりの勝利の秘密ですって?これ、知りたかったのよね。*

ターニャ:
*あかりの秘密を知れば、ターニャ、もっと速く走れる様になるぞーっ!バッキューン!!*

クリス&一乃:
「お前の秘密が分かれば、一緒に走れる。そして、お互いに永遠に走れる....」
(2人はお互いの顔を見つめたが、お互いに顔は赤らんでいたのだった。)

クリス&一乃:
(2人が声を合わせて)
「何故、赤くなる!?!?」

こうして、クリスと一乃は喧嘩を始めたのだった。

[翌日、あかりの家]

あかりは家に、ラーリと他のメンバーと共に、愛車レクサス2000SUVで向かっていた。
途中で、あかりはラーリと語り合っていた。

あかり:
「彼は、家に50年以上も居るんです。それに、私に、何時も適切なアドバイスをして
くれたんですよ。」

ラーリ:
(急いでメモを取る。)
「彼の経歴はどうなっているんだ?」

あかり:
(少々、しかめ面をして、)
「彼は、あらゆる人種との勝負に勝ってきたんですけど....私、今だ、彼が走って動物
達を追い越すと言う事実が、好きになれないんですよ。」

ラーリ:
(ショックを受けて、メモを取る手が止まった。)
*神崎の秘密のトレーナーは動物を追い越して走り、そして、勝ったのか?*
「神....神崎?お前、どんな種類の動物の話をしているんだ?」

あかり:
(考える。)
「ウーン。私、全部の種類は覚えていないんですよ。私が、覚えているのは犬ですね。
そして、走って犬を追い越したんですよ。その事は彼が良く私に話してくれました。」

ラーリ:
(ショックから解放されたが、その言葉に今だ驚いていた。)
「そうか。その時の速度はどの位だったんだ?」

あかり:
「おおっ!その時は時速80マイルでしたね。でも、今はベストの日で時速60マイル
位ですね。」

すると、荒い息使いの音が車中に響いた。
車中の皆は静かにしていた様だが、ラーリはこの話しを聞いて気分が「ハイ」になった
様だった。

ラーリ:
(息使いが荒くなり、汗が顔を流れ落ちた。)
*ああっ、なんて事だ!もし、私が、そんな速さを手に入れたら....その時は....*
「おっ、おーーーーっ!あっ、あーーーーっ!」

ラーリの周りは彼女を呆然と見つめていた。

ラーリ:
(自分を見つめている者を見て。)
「何だ?」

あかり:
「着きましたよ。」

あかりの他、全員はレクサスから降り、あかりの家に走って行った。
間も無く、あかりを除いた皆は、秘密のトレーナーの所に行って来た、あかりを
見つめていたのだった。

あかり:
(玄関に下りてきて。)
「良かった!彼はここに居るわ。彼に皆を紹介したかったの。」

あかりと彼女のトレーナーは居間にやって来た。

鈴花:
*私、金持ちになれるアルね!($_$)*

すると、全ての時間が凍り付いた。

あかり:
「皆?こちらが私のトレーナー、ミスターランナーです。彼は、私とお母さんを
訓練校に行くまで訓練して以来、とても年を取ったんです。ミスターランナーは
引退してからは、自分の事に専念しているんですよ。
(あかり、ミスターランナーを抱きしめる。)
でも、残念なのは、私、彼に感謝出来ないんですよ。ウーン、ねえ?ねえ?....
ハロー???」

あかり以外の皆は、様々な行動を取った。

まずは、ジェシー。
自分の2つの目が吊り上った。

次に、一乃とクリス。
2人は同時に向かい合い、口喧嘩を始めたのだった。

次に、ミランダ。
クスクスと笑い始め、最後には腹を抱えて笑い、床に倒れ込んだ。

その次はターニャ。
あかりと同様に彼に語りかける為、近づいて行ったのだった。

更に、鈴花。
石の様に体が固まっていた。そして、彼女の野望は脆くも打ち砕かれたのだった。

しかし、ラーリは...ラーリは、皆より悪い様子だった。

「と...と...鳥だって?!!!」

ラーリは顔が蒼ざめ出した。

あかり:
「彼は鳥じゃ有りません。神崎家の一員です。そうですよね?」

ミスターランナー:
「ビーーッ!ビーーッ!」

ラーリはゆっくりと膝を沈めた。顔は蒼白になり、叫んだ。
「私は...私は...鳥に訓練された少女に負けた、って言うのか???」

あかり:
「ラーリ先輩!しっかり?!先輩はミスターランナーの心を捉えた見たいですよ。」

ミランダ:
「(笑い)さて、彼に(笑い)、ラーリを訓練してもらうのが良いわね(笑い)。神崎
さん?彼に、必要な餌は時間当り1袋なのかしら、それとも、2袋なのかしら?」
ミランダは再び笑いこけて、床に倒れ込んだのだった。

(終わり!)

[訳者後書き]
ハッキリ言って、これはギャグです。
それ以外の何物でも有りません!
尚。「*」で囲まれている部分はモノローグを表します。
この技法は海外のFanficで良く用いられています。

ウーン、ミランダの笑いこけてる姿。見てみたい....