「お仕事、探してます。」
(Orginal Title:Looking for a job)

出典:Tenchi Muyo Fan Fiction Archive
   (http://www.tmffa.com/)
著者:Bob Cannard
訳者:alpha7

魎呼は天井をジッと眺めていた。
「こいつは退屈だぜ。どれだけ、待たなきゃいけないんだ?」 
その隣には阿重霞がおり、そして、言った。
「もし、貴方が癇癪を起こさなかったら、私達、今、こんな所に
居ないでしょうね。」

「もし、癇癪を起こさなかったら、だって?お前も、あんな事を
した一人だ、って事、思い出してみろよ。一寸、お前にユーモア
のセンスが無かったから、って、お前の結界に私のエネルギーを
打ち込んだのは、何時もの様に冗談で....」

阿重霞は唸り、手にはエネルギーが炸裂していた。
だが、2人が喧嘩を始めようとした時、2人は部屋の人間が自分
達に注目され、後ずさりしている事に気が付いた。
魎呼と阿重霞は、オドオドとした笑いを浮かべ、自分達の席に戻
った。
「あ....ハハ、無視してくれよな。な?」
魎呼は言った。

阿重霞はふさぎ込み、そして、言った。
「私は、その事がそれほど問題だ、とは思っていないわ。私達、
又、天地様のお宅を破壊してしまったし、柾木神社も、岡山の
半分の地域も破壊してしまったのよ。それに、私達、天地様に
追い出されちゃったし、私、お父様に勘当されてしまったのよ。
魎呼さん、貴方、本当に、このお仕事得たいと思ってるの?」

魎呼は再度、部屋を見渡した。そして、回りは希望に満ちた若い
女性で溢れており、全て十代半ばから後半で、不安に満ち、活気
に溢れていた。

「実はなぁ?私はチャンスを掴めるとは思って無いんだぜ。皆、
言ってたろ。こんな事は10年に1度有るか無いかって、それに
チャンスを掴む為に競い合うって事もさ。それに、どうして、
こんな特異な才能を買って雇ってくれるんだい?」

すると、部屋が静まり返り、一人の魅力の無い男が部屋に入って
来た。
「お待ち頂いて感謝します。我々は今、全てのテストを完了しま
した。結果を分析し、合格者は....」
彼は、手に持った一片の紙をチラッと見た。
「柾木阿重霞、並びに、白眉魎呼。」

部屋が失意の声で満たされた。
男が部屋を横切り、男が言った事に呆然とする2人の前にやって
来た。
「おめでとう。2人共。君達の訓練はただちに始める事になる。
これが君達のIDカードだ。」

魎呼は歓声と共に、自分のIDカードを確認した。
「WWWA、トラブルコンサルタント!阿重霞、私達、やったぜ!」

阿重霞は自分のIDカードを確認していた。
「私の事はユリと、お呼びなさい。」

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[作者注]

このFanficは数年前、「ダーティペアF」Vol.1、Mission2を見終
わった後、魎呼と阿重霞のコンビが、ケイとユリに似てるな、と思
って書いたものです。
それに、誰かに時折、「魎呼はどんな仕事をするのか?」と質問さ
れたからです。
私より前に、誰かが、この様な物語を書いていたら謝りますね。
私は、そんな物語も知らなかったし、存在すら知りませんでしたの
で....